アスレティックトレーナー(AT)は、クライアントであるアスリートが、スポーツ競技に全力で取り組めるところまでを目指します。アスリートでない普通の生活を送るクライアントであっても、運動やスポーツを楽しめるところまで体を回復させたい。そんな思いで、日々群馬県で鍼・マッサージ治療とアスレティックトレーナー活動をしています。
そんなアスレティックトレーナーが、身体のしくみや治療法についてなど日々のお仕事にまつわるお話を綴ります。
医療系の資格
私がこの仕事(鍼灸マッサージアスレティックトレーナー)を始めてから、
今年(2009年)で17年目に入りましたが、
からだの治療・癒しを標榜している職種について、その基となる資格の違いを
意外に多くの人が知らないことを実感しています。

例えば、太ももが痛いと訴えて来た高校生に、
その痛みの経過やそれまでに受けた治療などを尋ねると、
「医者に行ったら、肉離れと言われた」と言われたとします。
そこで詳しく聞いてみると、
行ったのは医者ではなく接(整)骨院だった
と言う事がよくあります。
大人の場合はそういう人は少ないですが、特に高校生以下の子どもの場合
少なからぬ割合で整形外科と接(整)骨院とを混同している人がいます。


医療」を担う職とは、
おおざっぱに言えば医療機関病院診療所)の中で
医師を中心として働く専門職のことです。
具体的には、
看護師准看護師診療放射線技師臨床検査技師理学療法士作業療法士などがあり、
これらはそのまま資格の名称でもあります。
(ここでの説明からは、歯科系の資格や薬剤師や精神・心理領域のものは除外しています。)

医師は、患者を診察し、検査し、診断を下し、
それを基に治療の方針を立て具体的な治療法を決め、
必要と判断すればリハビリ等家庭や社会に復帰するために必要な療法を行うなど、
医療行為のすべてを行なうことが認められたスーパーマンです。
医師免許は、医療上最大の権限と責任を与えられた資格です。

それに対して、
上で看護師以下に並べた資格は、
医師の指示や監督の下に医療行為の一部を担うためのもので、
普通働く場所も病院診療所などの医療機関の中に限られます。
そして、その資格認定制度も厳格で
上に名称を挙げた資格は准看護師を除けば
すべてが国家資格(免許)となってます。

  医師法
  医療法
  医療系の資格


上記の正規の医療に入らないものは、医業類似行為といいます。
医業類時行為として法で免許を認めているものに、
はり師きゅう師あん摩マッサージ指圧師柔道整復師の4種類の資格があります。
(ちなみに、はりきゅうは正式には鍼・針や灸などの漢字ではなく平仮名表記です。
普段マッサージ師と呼んでいるものも、正式にはあん摩マッサージ指圧師で、
略してあマ指師なんて呼んだりもします。)

  あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律
  柔道整復師法

(以上の4種の職は、医療類似行為ではなく、医療の一部であるという説もあります。)
  仙台市鍼灸マッサージ師会 医療類似行為とは何だったのか
※医業類似行為の誤りだと思われるが、現文のタイトルどおりに紹介しています。

はり師きゅう師あんまマッサージ指圧師柔道整復師が、
法で免許が認められているということは、
その免許を取るためには国家試験に合格しなければならないということです。
その国家試験を受けるためには、
カリキュラム(必修科目の種類やその履修時間数など)や教師の資格・身分などを審査されて、
文科省または厚労省から認められた
学校または養成所を卒業しなければなりません。
このように、厳格に規程された条件を満たさなければ免許を交付されないので、
最低限の医学的知識と専門技術を持ち、
施術によって返って人体に危害・事故を起こさないような対策(教育)を施されている
ということを意味しています。

この4種の免許者は、正規の医療(医業)と認められてませんが、
医師とは無関係に独立して開業する権利を持っています。
この場合、開設した施術所の名称は、○○鍼灸院、△△マッサージ院など
その業務の名前に「」「施術院」「治療院」などを使うことが多く、
柔道整復師の場合は
○○接骨院または○○整骨院という名称を使えます。
整骨は整体とは名称が似ていますが業務や資格が違うので注意が必要です。

また、医師が診療するところでないと、
病院はもちろんですが、
○○診療所とか○○医院とか
○○クリニックという名称を使うこともできません。
たまに、医師もいないのに
名称中に「メディカル」などの語をつけているところもありますが、
鍼以下の4種の資格ではこうした名称は付けることは無理です。
保健所に開業を届けなければならないのでその時にチェックされます)
ですから、免許ではない
何らかの民間資格の方が勝手に使っているのだと思いますが、怪しい感じですね。


上記に紹介した以外の、
カイロプラクティック、リフレクソロジー、アロマテラピー、アユールベーダ、
タイ(古)式マッサージやロミロミなど外国式マッサージ、
整体、つぼ整体、つぼ揉み療法、中国ツボ療法などなどは、
日本政府が資格を認定したり承認したりしていない
単なる「民間療法」であり「民間資格」です。

どのような資格取得を目指したり、
どのような資格の方に診てもらうかは本人の自由ですが、
特に民間資格の場合
どのような医科学系科目をどの程度学んでいるのか、
どの程度の実技実習時間・経験年数を経ているのか
など、
事前にそのバックボーンを調べてから決めることを強くお勧めします


(この記事は、私の別ブログ『感覚派アスレティックトレーナー 身体と会話する日々』の2008年7月23日の記事を少し手直しして転載したものです。)
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